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2019.04.03

実は重要!!Mg(マグネシウム)!!

マグネシウム(Mg)・・・実はとっても重要なミネラル。

マグネシウムは、心血管系の健康を支えるために身体が必要とする最も重要な栄養素の1つと考えられ、米国では半数近くの人が不足しているとも言われ、日本でも1日の摂取量の不足が気になるところ。

例えば、体内に十分なマグネシウムがないと、さまざまな障害や病気にかかりやすくなり、血圧が制御できなくなったり、2型糖尿病のリスクが高まったり、大腸癌のリスクが高まり、更には心臓発作を起こすリスクが高くなることも知られてます。

ここで述べられている、サウスカロライナ医科大学によって発表された研究はマグネシウム摂取が足りなく、欠乏しているとCRP(炎症反応の検査のひとつ:肝臓で作られるC-反応性蛋白質)が高くなる事を明らかにしています。マグネシウム摂取不足は心臓血管系のリスクを高める事になり、注意が必要です。

マグネシウムの必要量は、性別、年齢、個人のライフスタイルによって異なります。例えば、様々な研究や推奨によれば、30歳未満の女性は最低310 mgを位の摂取必要とするかもしれませんが、30歳未満の男性は1日400 mgを必要とするかもしれません。年配の男性は1日に420 mgのマグネシウムを必要とし、年配の女性は1日に320 mgのマグネシウムを摂取する必要があるかもしれません。通常の食事やサプリメントで意識して摂取しても、過剰摂取で問題を起こすくらい高濃度に摂取する事はないと思いますが、いずれにしても、栄養学をよく知っている医師や医療専門家に相談してみてください。
マグネシウムは時に疾患や症状の解決の糸口になる事もあります。例えば、我々の点滴外来で用いる「マイヤーズカクテル」の効果はこのマグネシウムを添加していることによる事が実は大きいといわれています。マイヤーズカクテルは片頭痛、線維筋痛症等の疼痛性疾患のほか、喘息、慢性疲労、うつ症状等でも奏功することがある「不思議な」点滴です。思い当たる方は、マイヤーズカクテルも是非お試しください。詳しくは当院までお問い合わせください。

2019.03.15

GOのはなし−深〜い囲碁の話−

囲碁の歴史は古く、中国で紀元前に始まり、2千年前にはすでに庶民のゲームとして一般的でした。日本には吉備真備らの遣唐使以降伝わったといわれています。昔は女性もよくたしなみ、紫式部や清少納言も囲碁をやっていたようです。囲碁は、序盤の布石から中盤の戦い、終盤のヨセと戦略性に富み、実際の戦闘にも似たところが多く、岡目八目、定石、一目置く、駄目、八百長、布石、捨て石、死活問題、大局観、目算など、ことわざになっている言葉も多数あります。

 私は麻酔科医ですが、麻酔と囲碁の関わりも二つほどあります。一つは、三国志で有名な関羽の逸話で、腕の矢傷の治療を受けるのに囲碁を打ち気を紛らわして麻酔なしで手術をしたというものです。この時に治療を担当したのが伝説の名医といわれる華佗(かだ)です。華佗は『麻沸散(まふつさん)』といわれる世界で最初の全身麻酔薬を発明したことで有名です。しかし、華佗は曹操によって殺されてしまい、麻酔薬の秘密は永遠に謎になってしまいました。余談ですが、この『麻沸散』の再現に挑戦し『通仙散(つうせんさん)』という麻酔薬を発明したのが華岡青洲(はなおかせいしゅう)という日本の医師で、記録上は世界最初の全身麻酔として日本の誇るべき業績です。もう一つは、日本の名棋士の一人、趙治勲(ちょうちくん)で、彼が交通事故でケガをした時に、手術のために麻酔が必要だとしても、「碁が弱くなっちゃいけない。麻酔だけは打たないでくれ。」といって、麻酔なしで手術を受けたことです。ただ、現代の医療で、麻酔で碁が弱くなるとは考えられません。(念のため)

 あと、最近話題になったのは、AI(人工知能)と囲碁の話です。AIとの勝負は、チェスに始まり、1997年にIBMの「ディープブルー」が世界チャンピオンを打ち負かします。しかし、将棋や囲碁はずっと複雑なので人間の方が優位でした。その後、AIはさらに進歩を続け2013年には将棋、2015年にはついに囲碁の欧州チャンピオンにも勝利します。2016年には、世界最強棋士にも勝ち越します。今後の我々人類の未来はAIに握られるようになるかもしれません。

 

2019.03.13

朝すっきりと起きられますか?−鉄欠乏は、多彩な愁訴と関係−

鉄欠乏性貧血による症状は実に様々です。具体的には、寝起きが悪い、疲れやすい、肩こり、湿疹、頭痛、風邪を引きやすい、髪が抜ける、注意力が低下、イライラ・神経過敏、歯茎から出血、アザ、動悸息切れがする、むくみ、爪が変形、割れやすい、食欲不振、口角口唇炎など、多彩な愁訴に関係しますが、慢性に経過する鉄欠乏は自覚症状に乏しいのが特徴です。

 現代ではライフスタイルや環境の変化によって食物からの鉄の摂取量が減少しています。さらに、成長に応じて鉄の需要は増大、過度な運動でも鉄が失われます。女性はさらに、月経血からの喪失、妊娠、分娩で鉄の需要が増加します。子宮筋腫や悪性腫瘍などによる出血量の増加に伴い、需要量が増加します。

 病院で処方される鉄剤は非ヘム鉄です。鉄は胃酸により、鉄イオンに変化してから吸収されるので、胃酸の分泌が低下している人はヘム鉄の補給が適しています。

 鉄以外にも栄養バランスの乱れは様々な不定愁訴を引き起こし、病気の原因にもなります。血液検査によって、ご自身の体の状態を知り、適切な栄養素の補給を行なうことによって、愁訴の改善だけでなく、身体症状を含めた全身状態の改善も可能になります。

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