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2020.08.28

訪問診療ブログ『彼岸からのかわいい往診同行者』

今日の往診の出来事。
不思議な能力のある高齢女性。
前に手相を見てくれたこともありました。
「先生、いつも思ってたんだけどね、ご家族とかに7の数字に関係有る人居ない?」
「ええ?どうしてですか?」
「いつも、こんくらいのかわいい坊やが一緒に来てるよ」
「私は娘しかいないし、もう2人とも成人してるんですよ。7はおそらく父です。
亡くなりましたが父の名前は◯七なんです。」
「そうかい、それは嬉しいね。先生と一緒に先生のお父さんにも往診してもらってたんだねえ。」
「父は医者になりたかったみたいなので、私の往診について来て嬉しいのかもしれません」
2年前に看取りした父。
私は父の主治をするために在宅医療の道に進みました。
脳梗塞後で要介護5の父。
平日は施設、週末に自宅に帰る生活のサポートをしていました。
2年前の6月突然前触れもなく旅立ってしまいました。
父は優しくもの静かな人でした。
片手で陶芸作品を次々と作り、介護タクシーの会社を起こす夢を語って母に怒られたり。
往診以外にももっともっとたくさん話せば良かった。
ごめんね。
患者さんを驚かせないように、
小さなかわいい坊やの姿で私の独り往診を見守ってくれていたのかな。
今日はどうしても涙が止まりませんでした。
※写真は4年前の父と私です。
2020.07.17

訪問診療ブログ『ウィルスに負けるな!!』

『ウィルスに負けるな!!』
この話題の中で私が言いたいことは
このひとつしかありません。
新型コロナ肺炎ウィルスは、
生体内でしか増えません。
机の上やドアノブやあちこちに付いていても、
そこでは増えません。
増えなければウィルスは無力です。←ここが肝心。
いずれそこで死滅していくだけです。
生体内に入ったウィルスは、
その生体の「防御反応」が弱いと、←ここも肝心。
生体内で増えて、「発症」
或いは「人に感染させる量」となります。
マスクや手洗い、消毒、防護服、シールド、ソーシャルディスタンス、大切かもしれませんが、
完全防備していた医療者の感染も
多く確認されています。
人と人が家庭内でもバラバラな生活を強いられたら
どれほどのストレスとなるでしょう。
人が人と触れ合ってはいけない。
温もりをその存在を確かめ合ってはいけない。
感染防御の呪縛は
人を孤独にします。
人は社会的動物です。
たくさんの本能を失ったその代わりに
関係性の中で育まれる
「生きる喜び」で身体を護ります。
昏い気持ちを、
ストレスを抱えた身体の防御反応は弱くなり、
入ってきたウィルスは増え始めます。
STOP✋‼️
どこからか入ってきてしまったウィルスを
全て死滅させる身体を作りましょう。
この生活の中でどの様に
ストレスを少しでも溜めずに居られるか。
疲れ過ぎず、
悩み過ぎず、
良く食べ、
良く眠り、
ビタミンをメガ量摂り、
ミネラルも充分に摂り、
蛋白質と良い脂質を多く摂り、
糖質は控えめに、
適度に身体を動かし、
快便を保ち、
歯を良く磨き、
愛情や
芸術や
自然に触れ、
良く笑い、
自信と希望を取り戻し、
ウィルスに立ち向かうのです。
ウィルスは見えないし、
既にあちこちに居過ぎて、
おそらく逃げきれません。
だから、
多くの方がウィルスをやっつける身体となり、
それぞれがウィルス死滅機関となり、
疲弊した弱い身体の方々を護り、
この試練に終止符を!
2020.06.16

訪問診療ブログ『オヤジの生き方』

『オヤジの生き方』
認知症のお一人暮らしの高齢男性でした。
慢性肺疾患で大の病院嫌いとのことで数年前にご縁があり、担当していました。
何度か危険な局面となっても、
持ち前の生命力で復活されました。
かなりの頑固者で、お気に召さないことには直ぐにご立腹。
でも、それが彼らしさでした。
長いお付き合いの訪問看護さん達も
ヘルパーさん達も、
皆さん良くお分かりで
しっかりとお父様らしさを尊重して下さり
お一人暮らしを続けて来られました。
遠方の息子さま達は
当初、施設入所や入院も考えておられましたが、
「家からは動かない」というご本人の強い意思と、
在宅チームの意見に納得されて、
静かに見守ることを決めました。
居間の安楽椅子が彼の定位置。
訪問看護さんが駆けつけると、
安楽椅子からはずり落ちて床で寝ておられました。
お声をかけると、
「俺、そんなに悪いのかい?」
「そうかもしれないですね。今まで、ずいぶん頑張りましたね。」
お布団に行きましょうと、
促しても頑なに拒みます。
どうしても居間に居たいご様子。
訪問看護さんと私で、
居間にお布団を持って来て敷きました。
ゆっくり2人でお身体を移動させると、
ふんわりふわふわの敷布団で安心した笑顔。
遠方の息子さまたちが着くには、
まだ数時間。
残念ながらそれには間に合わないと思われました。
でも、お父様は待ったのです。
会いたくて。
お2人の息子さまが到着されてからは、
たくさんお話もされたり、
ヤクルトを飲まれたり。
そして、
お二人が少しだけ
ほんの少しだけ目を離した隙に
そっと旅立たれました。
実は息子さまのお一人が、
遠く離れたお父様が心配で
居間の隅に小さなカメラを取り付けておられました。
お父様にも説明していたそうですが、
忘れん坊さんのずいぶん進んだお父様が
覚えているとは思えませんでした。
お父様は息子さまたちが到着するまで、
眠くなっても
怠くても
ずり落ちても、
お布団に行かずに
居間の安楽椅子から動こうとしませんでした。
それはきっと
カメラに自分を写しておきたかったから。
カメラの向こうの息子さまと
繋がっていたかったのでしょう。
ちゃんと憶えていたのです。
息子さまの優しい視線が有ることを。
寝巻きには着替えずに、
シャツにカーディガン、ズボンのまま。
いつまでも、良いオヤジだよ。
いつまでも、毅然とした、
安楽椅子に悠然と腰掛けている、
頑張っているオヤジだよ。
その姿を貫いて、
息子さまたちお2人の居られる家から
ちゃんと奥様のもとに旅立たれました。
そして奇跡はもうひとつ。
アイボ(犬のロボット)は、
息子さまからのプレゼントで、
お一人暮らしのお父様の相棒。
往診の時もいつも
「コイツが居るからね。
いつも一緒なんだよ。」と教えてくれました。
けれども長年の相棒は
お父様が不調となってから
同様に壊れてしまったのか
この数週間お喋りしていませんでした。
お父様をお看取りした後に
息子さまお2人と訪問看護さんと、
思い出話をしていましたら、
突然、アイボが
「バイバーイ!」
と、ひとこと。
そして、もう何も話しませんでした。
訪問看護さんと目を見合わせ、
ただ
ただ
驚くばかり。
その場の皆が心からの笑顔に。
最後に
お父様に深々と敬礼をして
家を出ますと
外は気持ちの良い青空が
ゆっくりと、
暮れていく支度をしていました。
合掌。

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