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2020.05.25

訪問診療ブログ『魂の栄養』

『魂の栄養』
生きている時には、
私たちは心身の健康のために
飲食するものの「栄養」を考えます。
私たちの骨や筋肉や血液、
全ての生きるための活動は
私たちが口にする栄養で支えられているからです。
一方で、人生の終焉に於いては
心身の為に栄養を摂る必要はありません。
豊かな筋肉も
頑丈な骨も
血液も
あの世には持っていけません。
それでは「人の終末期の栄養」を
どのように考えたら良いでしょう?
あの世に渡る支度の際には
「ああ、良い人生だった。」
「たくさんの人に感謝の気持ちでいっぱいだ」
と、心いっぱいに思って死にたいですよね。
それは魂の栄養です。
この世でのお役目を終えて、
魂の栄養たくさん(この世での感謝に満ちて)で、
あの世にまた旅立ちましょう。

2020.04.24

コロナウイルス のイヤらしさ

志村けんさん、岡江久美子さんがコロナウイルス感染で亡くなりました。じわじわと大切な人を奪ってゆく、これがコロナウイルス の一番イヤらしいところです。世界では日本よりはるかに甚大な被害を受けていますが、同じような特徴があります。最近、ニュースで報じられていましたがスペインで亡くなった方の約半数は施設に入所している高齢者だったそうです。前から言われていたように、コロナウイルス は体力、恐らくは免疫力が低下している人を狙い撃ちにして重篤化しているようです。最近でも、北海道の新たな感染者は多くが医療機関、高齢者施設に集中しています。
 現在の移動制限はあくまでも対症療法的で、根本的にコロナウイルスを克服するには3つの方法しかありません。①集団免疫を獲得する、②ワクチン、③治療薬です。しかし、集団免疫を獲得するには多くの人間が一旦感染する必要があります。その結果、多くの人命を失うことになりますので現実には選択できません。治療薬は、アビガンをはじめ色々な薬、ビタミンなどが実際に使用されて一定の成績をあげているものもありますが、決定的な治療薬はまだありません。ワクチンはもっとも効果が期待されますが、完成に時間がかかるのが問題で、今の状況には間に合いません。しかし、イギリスでは既に臨床治験が始まっています。日本でも7月には始まりそうなので、最短で冬には間に合うかもしれません。(現在の状態を考慮して通常の認可に要する時間が短縮された場合に限ります)

 コロナウイルス のイヤらしさはさらに、医療現場を蝕むところにあります。特徴の一つとして医療従事者の感染例の多さが目立ちます。現場では、コロナウイルス 感染者に対して極めて注意して治療を行なっています。しかし、理由がよくわからない院内感染症例が多発しています。自分が感染するかもしれないという恐怖と医療者に対する嫌がらせなど、安心して治療に向かえない状態が、医療現場を萎縮させます。特に、軽症者の場合には、自分が感染している自覚もあまりなく、他の病気の患者に混ざって医療機関を受診してしまうことがあるのがコロナウイルス のイヤらしい点です。コロナウイルス を全く警戒していない所を襲う、医療機関の弱点を突いてくるところがイヤらしい点です。

 現在、移動制限下にある日本の中で他に私たちにできることはなんでしょうか。大切なことは当たり前ですが各々が健康状態を保つことです。特に、免疫力が大切です。積極的に免疫力を高める方法を次回、科学的に考えてみたいと思います。

2020.04.20

訪問診療ブログ『啓蟄』


『啓蟄』

3月5日に始まった今年の啓蟄(けいちつ)は 3月20日に終わります。
二十四節気(にじゅうしせっき)は1年を24分割し、最も昼の長い日を夏至、最も昼の短い日を冬至、昼と夜の長さが同じ日を春分・秋分とし、それぞれを春夏秋冬の中心に据えることで季節を決めた暦ですが、啓蟄は、その春の中でも「土の中の巣篭もりしていた虫が這い出して来る頃」という意味の時節です。

冬の眠りから目覚めた春の生命エネルギーが大気に満ち始めると、心身が衰弱している方は、そのみなぎる熱量と引き換えに自分の旅立ちを感じ取る印象があります。

いのちは、めぐり保存されます。

今生でいのちの終わりを迎えても、
次にバトンが渡されて
いのちの重みや大きさ、尊さは減弱することがありません。
啓蟄は新しいエネルギーの現れであり、
冬とともに旅立つ魂からの贈り物です。

旅立つ方々は残る者たちに多くを贈ることで、
身軽になって次に向かうのでしょう。

長かったご縁の方も
いただいたばかりのご縁の方も
どうか静かで穏やかな道行きでありますよう。

 

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