ブログ

2020.03.11

ビタミンを取らないという選択肢はない

相変わらず、コロナウイルス騒動 に巻き込まれた不安な日々を送っていることと思われます。現在では有効な治療法がないので、姿の見えない敵に対する不安からマスクを着用されていますが、マスク自体には感染を予防する効果はあまり期待できません。ですから、マスクの入手にそれほど神経質になる必要はありません。それより重要なのはしっかり体調管理をすること。そのためには栄養であるビタミン、ミネラルの補給をしっかり行うことです。時々サプリメントに過剰に反応する人が、医療関係者であっても「ビタミンの摂取なんて意味ない」みたいなことを言いますが、栄養の摂取が体の機能維持に意味が無いとはおかしな話です。医薬品に過剰な信頼を置く方であっても、現在の処方薬の中に多くのサプリメントと同じ成分が入っていることを見逃しています。漢方薬の成分はその多くが草花、ハーブです。さらにその漢方薬の成分からも多くの処方薬が作られています。ビタミンを取らなくて欠乏症になればそれだけで生命に関わります。体の内側から守る。体内のマスクとして働いてくれるビタミンをしっかりと補給しましょう。

 現代では、総じてビタミンDが欠乏しています。コロナウイルス の蔓延地域が冬季に日光の減少する地域に一致していることは無関係ではないように思います。アメリカのサンディエゴであっても住民はビタミンDが足りていません。

2020.02.26

ウイルスの存在に思うこと

金谷潤子 2月23日


学生時代、微生物学の授業でウィルスを習った頃には

単に「細菌の小さいやつ」と言った印象でしかなかった。

どのような生物も互いに良くも悪くも影響し合う。
細菌も人間に取って悪いものばかりではなく、

乳酸菌や納豆菌、酵母菌など良い細菌も居る。

ウィルスは悪いことばかりだろうか。

ウィルスは生物なのかどうかも議論されている。

ウィルスは遺伝子を持つが、細胞を持たないからだ。

他の生物の細胞の中に入って初めて増殖し、生物のように振る舞える。

このような生物は他に地球に存在しない。
普通はエネルギーを得て成長し増殖していくが、

ウィルスには遺伝子という増殖のための設計図があるだけ。

その設計図だけ持って他の生命体に入り、自分を増殖させるのがウィルスの蔓延の仕組みです。

ウィルス感染は宿主に時に遺伝子変異をもたらす為、

生物の進化に必要なのだと言う説が有るが確証は無い。(いわゆるウィルス進化説)

SF映画やアニメや漫画でもそのようなストーリーが散見される。

ウィルスの存在自体も謎で、宇宙からやってきた寄生体という説もある。

ウィルスの役割と存在は、誰も解明できていない。

私は微生物学者ではない。
ただの町医者だけれども、世の中が新しい感染症に脅かされている状況の中で、

ふと、これが人類にとって何を意味するのかと考えてみる。

先に、東北大微生物学の先生の提言をご紹介させていただきました。

人類の生活は随分便利になって来たけれど、

今、このような局面に際してどのように乗り越えていくことが試されているのか。

マラリアの特効薬として、

ヨモギの一種から抽出されるアルテミシニンを発見したことで

2015年に中国人女性がノーベル生理学・医学賞を受賞しました。

今は抗マラリア薬の中心的地位を占め、アフリカをはじめ世界で多くの命が救われています。

現在は抗癌作用についても研究されているそうです。

もちろんマラリアは寄生虫ですから、ウィルスと比べてはるかに巨大で全く別の存在です。

抗インフルエンザ薬で有名なタミフルは植物トウシキミの果実

「八角」から得られるシキミ酸を原料として合成されています。

ドイツではヤドリギのエキスは癌に対して最もポピュラーな治療法で、

ヤドリギから抽出された注射薬が病院でも使われているのですが、日本では殆どの人が知りません。

病には生薬や栄養の手助けが必ず必要で、

時にそれは科学的な響きを持たない為に疎かになることもあります。

しかし決して忘れてはならないことは確かです。

自分の学んでないこと、知らないことの中にも大切なことはたくさんあるはず。

否定したり中傷することは簡単ですが、学ぶことには時間がかかります。

自分のできることを考えながら、学ぶ姿勢が今こそ問われているのではないかと感じます。

 

発明王エジソンは今から100年前に未来の医療について言及しています。
The doctor of the future will give no medicine but will interest his patients in the care of the human frame, in diet, and in the cause and prevention of disease.
(Thomas Edison, 1847-1931)

「未来の医者は薬を使わず、食事を重視し、病気の本来の原因を探し、予防するという、人間の基本的な構造を大切にして治療をするだろう」

2020.02.21

訪問診療ブログ『相性』

金谷 潤子 2月14日


今日はある患者さんのご家族と既存の訪看さん、ケアマネさんに当院外来にお越しいただき、

今後の新しいチームでの在宅療養について話し合いの場を設けました。
認知症などで経口摂取も思わしくなくなり、肺炎を機に廃用が進んでいます。
長く診ておられた訪問診療の先生がいらっしゃいましたが、

「自分の説明の仕方が足りなかった、金谷先生ならばきっと不安なく寄り添っていただけるだろう」

と直接お電話もあり、主治医交代で受けさせていただくことになりました。

この先生は非常に真面目な良い先生で、
ご家族は「その誠実さに自分のいい加減さが申し訳なくて色々相談できなかった」と、

仰っていました。


訪問診療と言うのは、その方のプライベートな生活空間に入り込みます。

たかが在宅医ではありますが、月に2回定期的に家に訪れる「他人」には、
相性や印象も大事な要素でしょう。

私の声を「大きくてうるさい」と嫌がる方も時々いらっしゃいます。
つい熱が入ると、更に音量が増してしまいます。
お耳の遠くない方には、極力静かに話しかける様に心がけていますが、

それでも、やかましくて、じっと我慢しているのかもしれませんね。

自分のポリシーやスタイルや治療方針が全ての患者さんやご家族にとって

「間違いない」と考えてはなりません。

「正しい」とか「正しくない」で分けられないところに、

大切な問題が潜んでいることも多くあります。

特に「死や老い、終末期の受容」に関することは、

私が医師として学んできたこととは別の「人間性」も求められます。


今回ご紹介して下さった先生の様に、
私もいつも謙虚に誠実に「私で大丈夫だろうか?」
と言うことも忘れないでいたいと思います。


※今日はバレンタインデーでしたね。
私も実家に行き、父の骨壺(うちは位牌や仏壇が無くて母が骨壺の周りに写真や思い出の品などを飾っています)にチョコレートと生寿司を届けて来ました。
美味しく食べたかな?
皆さまも、良い週末をお過ごし下さい。

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