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2020.02.21

訪問診療ブログ『相性』

金谷 潤子 2月14日


今日はある患者さんのご家族と既存の訪看さん、ケアマネさんに当院外来にお越しいただき、

今後の新しいチームでの在宅療養について話し合いの場を設けました。
認知症などで経口摂取も思わしくなくなり、肺炎を機に廃用が進んでいます。
長く診ておられた訪問診療の先生がいらっしゃいましたが、

「自分の説明の仕方が足りなかった、金谷先生ならばきっと不安なく寄り添っていただけるだろう」

と直接お電話もあり、主治医交代で受けさせていただくことになりました。

この先生は非常に真面目な良い先生で、
ご家族は「その誠実さに自分のいい加減さが申し訳なくて色々相談できなかった」と、

仰っていました。


訪問診療と言うのは、その方のプライベートな生活空間に入り込みます。

たかが在宅医ではありますが、月に2回定期的に家に訪れる「他人」には、
相性や印象も大事な要素でしょう。

私の声を「大きくてうるさい」と嫌がる方も時々いらっしゃいます。
つい熱が入ると、更に音量が増してしまいます。
お耳の遠くない方には、極力静かに話しかける様に心がけていますが、

それでも、やかましくて、じっと我慢しているのかもしれませんね。

自分のポリシーやスタイルや治療方針が全ての患者さんやご家族にとって

「間違いない」と考えてはなりません。

「正しい」とか「正しくない」で分けられないところに、

大切な問題が潜んでいることも多くあります。

特に「死や老い、終末期の受容」に関することは、

私が医師として学んできたこととは別の「人間性」も求められます。


今回ご紹介して下さった先生の様に、
私もいつも謙虚に誠実に「私で大丈夫だろうか?」
と言うことも忘れないでいたいと思います。


※今日はバレンタインデーでしたね。
私も実家に行き、父の骨壺(うちは位牌や仏壇が無くて母が骨壺の周りに写真や思い出の品などを飾っています)にチョコレートと生寿司を届けて来ました。
美味しく食べたかな?
皆さまも、良い週末をお過ごし下さい。

2020.02.06

当院副院長がオントナに載りました!

北海道新聞朝刊のオントナにて

当院の在宅医療について取り上げて頂きました!

副院長 金谷潤子が在宅医療について語っています。

北海道新聞社さんありがとうございました。

2020.01.24

訪問診療ブログ『良いこと探し』

金谷 潤子
1月5日

『良いこと探し』

生きていく時に、何かを否定して進むのは辛いのではないか?
何かを肯定しながら生きたいと思う。

ネガティブキャンペーンは時に非常に有効だし、人の目を惹くにも効果が有ると思います。

この世の中に否定したいことは溢れていて、
悪いやつだって居なくならない。
善い人に魔が刺すことだって日常茶飯事。
ありえない酷い話も後を絶たない。

争いや憎しみは繰り返してはいけない

けれど、自由を求める限り
平等をうたう限り
どこかで不平等は生じて
得をする人、損をする人があり、
争いは生じる。

だから、否定せずに
何か良いことを肯定し、
美しいものを見つけ、
笑い声を探し、
触れる温もりを大切に生きていきたい。

否定のエネルギーはとても大きく強い。
その役割の人も必要なのかもしれない。
でも、幸せや笑いや美しいことの肯定のエネルギーだって
集まれば結局、
否定したいことを淘汰できるのだと思う。
でも、それを目指すのでは無く、
ただ、
ただ、
美しく優しく温かなものを
日々見つける努力をして、
そうして終わりたい。

※カラス。古くはありがたい「神の使者」として世界の神話や伝説に頻出しています。
しかし現代になって来ると、「不吉」「死の象徴」などのイメージでとらえられるようになり、ゴミ漁りや人を攻撃したり、すっかり悪者扱いです。
けれども、カラス自体は良くも悪くも変わっていないはず
昔からカラスとして生きて来たのです。
食べ物が無いから住宅街に出向き、人の邪魔をすると言われているだけ。熊やキツネも同じですね。
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