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2024.06.11

GOのはなし−深〜い囲碁の話−

囲碁(いご)とは、二人で行うボードゲームの一種です。ルールは単純で交互に盤上に石を置いていき、自分の石で囲んだ領域の広さを争うというものです。単に、碁ともよばれます。私と囲碁の出会いは、今は亡き父が趣味としていたため、子供の頃に始めたことによります。当時は、一局打つと10円もらえたので、小遣い欲しさでしたが、そのうち面白くなってきました。
 囲碁の歴史は古く、中国で紀元前に始まり、2千年前にはすでに庶民のゲームとして一般的でした。日本には吉備真備らの遣唐使以降伝わったといわれています。昔は女性もよくたしなみ、紫式部や清少納言も囲碁をやっていたようです。囲碁は、序盤の布石から中盤の戦い、終盤のヨセと戦略性に富み、実際の戦闘にも似たところが多く、岡目八目、定石、一目置く、駄目、八百長、布石、捨て石、死活問題、大局観、目算など、ことわざになっている言葉も多数あります。
 私は麻酔科医ですが、麻酔と囲碁の関わりも二つほどあります。一つは、三国志で有名な関羽の逸話で、腕の矢傷の治療を受けるのに囲碁を打ち気を紛らわして麻酔なしで手術をしたというものです。この時に治療を担当したのが伝説の名医といわれる華佗(かだ)です。華佗は『麻沸散(まふつさん)』といわれる世界で最初の全身麻酔薬を発明したことで有名です。しかし、華佗は曹操によって殺されてしまい、麻酔薬の秘密は永遠に謎になってしまいました。余談ですが、この『麻沸散』の再現に挑戦し『通仙散(つうせんさん)』という麻酔薬を発明したのが華岡青洲(はなおかせいしゅう)という日本の医師で、記録上は世界最初の全身麻酔として日本の誇るべき業績です。もう一つは、日本の名棋士の一人、趙治勲(ちょうちくん)で、彼が交通事故でケガをした時に、手術のために麻酔が必要だとしても、「碁が弱くなっちゃいけない。麻酔だけは打たないでくれ。」といって、麻酔なしで手術を受けたことです。ただ、現代の医療で、麻酔で碁が弱くなるとは考えられませんし、ご本人も全身麻酔で手術を受けたといっており、盛り上げるための作り話です。
 あと、最近話題になったのは、AI(人工知能)と囲碁の話です。AIとの勝負は、チェスに始まり、1997年にIBMの「ディープブルー」が世界チャンピオンを打ち負かします。しかし、将棋や囲碁はずっと複雑なので人間の方が優位でした。その後、AIはさらに進歩を続け2013年には将棋、2015年にはついに囲碁の欧州チャンピオンにも勝利します。2016年には、世界最強棋士にも勝ち越します。今後の我々人類の未来はAIに握られるようになるかもしれません。

2024.06.06

北海道は癌になりやすい?

2人に1人が癌になる時代と言われています。日本は名だたる長寿国で、医療レベルも高いのに何故でしょうか。長生きになったため、他の病気で命を落とさず癌くらいでしか死なないという捉え方もあります。しかし、癌の死亡率には地域差があることはあまり知られていません。
 2017年の国立がん研究センターの報告では、東北・北海道の癌死亡率が男女共に全国に比べて高いのです。これは、どのように考えたら良いのでしょうか。最も低い長野県に比べ、北海道は1.5倍程です。北海道は、人口に対する医師数の面では全国で平均的なレベルであり、特に医療が受けにくい環境ではありません。手術に関しては、麻酔科医がきちんと術中管理をしている病院も多く、安全に手術が行われています。
 同様の傾向は、北半球の地域に多く見られます。他に、北半球に多いと言われる疾患は、高血圧、インフルエンザ、うつ病などです。これらの地域に共通していることは冬が長く、日照時間が短いことです。日照時間が短いと体内のビタミンD濃度が低下します。ビタミンDの合成は皮膚で行われ、その合成には紫外線が不可欠です。したがって、日焼けを避ける今日の生活様式は北半球ではビタミンDの低下がさらに酷いことになります。ビタミンDは、免疫、Ca代謝に大きく関わっています。すでに活性型ビタミンDは骨粗鬆症の薬として使われています。
 食品としてビタミンDを多く含むのはレバー、鮭などです。きのこも天日干しになったものはビタミンDになります。キノコも鮭も秋の恵みとしてよく知られたものです。そう考えると、昔の人は誰にも教えられずに予防医学を実践していたことになります。最近の世界の医療のトレンドは最先端医療の追求よりは予防医療の推進です。予防医療の観点からは、ビタミンDをサプリメントで補充することが勧められています。1日5,000単位以上のビタミンDの摂取をお勧めします。

2024.05.16

届出事項に伴う院内掲示について(保険診療)

当院はオンライン資格確認を行う体制を有し、受診歴、薬剤情報、特定健診情報

その他必要な診療情報を取得・活用し、より質の高い医療の提供に努めています。

 

令和6年6月1日より下記の通り診療報酬点数を算定いたします。

【医療情報取得加算】

『初診(月1回)』

マイナ保険証を利用し情報取得同意する場合・・・1点 

マイナ保険証を利用しない場合・・・3点

『再診(3月に1回)』

マイナ保険証を利用し情報取得同意する場合・・・1点 

マイナ保険証を利用しない場合・・・2点

 

上記に関わらず他の保険医療機関からの紹介状をお持ちの方は、診療報酬点数が1点となります。 

マイナ保険証によるオンライン資格確認等の利用にご協力をお願いいたします。

 

【医療DX推進体制整備加算】

当院では以下の通り対応を行っています。

①オンライン請求を行っています。

②オンライン資格確認を行う体制を有しております。

③電子資格確認を利用して取得した診療情報を、診察室で閲覧又は活用できる体制を有しております。

④電子処方箋を発行する体制は対応待ちです。

⑤電子カルテ情報共有サービスを活用できる体制は当該サービス対応待ちです。

⑥マイナンバーカードの健康保険証利用の使用について、お声掛け・ポスター掲示を行っています。

⑦医療DX推進の体制に関する事項及び質の高い診療を実施するための十分な情報を取得及び活用して診療を行うことについて

当該保険医療機関の見やすい場所及びHPに掲示しています。

 

【在宅医療DX情報活用加算】

医療DX推進体制整備加算同様、在宅医療においても居宅同意取得型の電子資格確認等システム活用により、医師等が患者様の診療情報等を取得及び活用できる体制を有しております。

 

【明細書発行加算】

当院では医療の透明化や患者様への情報提供を積極的に推進していく観点から、領収書の発行の際に、個別の診療報酬の算定項目の分かる明細書を無料で発行しております。

明細書の発行を希望されない方は、受付にてその旨お申し出ください。

 

【一般名処方加算】

当院では後発医薬品の使用促進を図るとともに、医薬品の安定供給に向けた取り組みを実施しています。

現在、一部の医薬品について十分な供給が難しい状況が続いています。

当院では、後発医薬品のある医薬品について、特定の医薬品名を指定するのではなく、薬剤の成分をもとにした

『一般名処方』(一般的な名称により処方箋を発行)を行う場合があります。

一般名処方によって特定の医薬品の供給が不足した場合であっても、患者様に必要な医薬品が提供しやすくなります。

 

【機能強化加算】

当院は『かかりつけ医』として以下の取り組みを行っています。

・他の医療機関の受診状況及びお薬の処方内容を把握したうえで服薬管理を行います。

・健康診断に関する相談等、健康管理に関するご相談に応じます。

 必要に応じ、専門の医師・医療機関をご紹介します。

・介護・保健・福祉サービスに関するご相談に応じます。

・夜間・休日等の緊急時の対応方法について情報提供いたします。

 

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