水素サプリ試してみます
水素療法の有用性は最近注目されていますが、発生装置が必要だったり、以前注目された水素水のように水素の含有量がわからなかったりで、少し使いにくいところがありました。
水素サプリは以前からありましたが、科学的な根拠がはっきりしなくて個人的に敬遠していました。
HG EVOは大阪大学で基礎実験が行われ、水素が実際に発生することがわかっています。
水素療法を行っている医療機関でも採用されていることから、現場での評判も良いようですのでお試ししてみます。
60cap 10,500円(税込)です。
ファスティング−その1
ファスティング(Fasting)とは、特定の期間食事を制限または絶食することを指します。一般的には、水や飲み物の摂取は許可される場合がありますが、栄養素を含む食物の摂取を制限することが特徴です。
ファスティングは、その効能の一つであるオートファジーで大隅良典先生がノーベル賞を受賞したことから一般にも広く知られましたが、健康法として古くから行われてきた断食療法とほとんど同じものです。断食が体に良い効果があることは、現在でもキリスト教、仏教、イスラム教などいくつもの宗教で行われていること、古くはギリシャ時代から自然治癒力を高めるものとして行われてきました。ただ、メカニズムが不明だったのが最近の研究で徐々に明らかになってきただけです。
ファスティングのメカニズムには以下のことが考えられています。
1)インスリンと血糖調節: 食事を摂取しないことで血糖値が下がり、その結果インスリンの分泌が抑制されます。これにより、脂肪組織からの脂肪分解(脂肪酸とグリセリンの放出)が促進され、エネルギー供給源として利用されます。
2)オートファジーの促進: ファスティング中、細胞はオートファジーにより老廃物や損傷した細胞部位を分解し、再利用または排出します。これにより、細胞の健康維持や修復が促進されます。
3)ミトコンドリアの機能改善: ファスティングはミトコンドリアの機能を改善し、エネルギー生産の効率性を高めることが示唆されています。これにより、細胞のエネルギー効率が向上し、細胞の健康維持が促進されます。
4)炎症反応の減少: ファスティングは炎症マーカーの低下に寄与することが報告されており、炎症性疾患のリスク低減につながる可能性があります。
数年前のアメリカのアンチエイジング学会では、体を内側から若返らせる方法として、このファスティングが注目されていました。ただ、完全断食のファスティングは危険を避けるため医療者等の観察・指導が必要です。そのため、インターバルファスティング、プチ断食といわれるような一般人が安全に取り組める方法がいくつか開発されてきています。アメリカではすでにファスティングも健康ビジネスになっていて、FMD(fasting mimic diet)といった食品サービスも手軽なファスティング法として始まっています。
医魂商才ノススメー新紙幣発行に思うことー
7月3日に、20年ぶりに新紙幣が発行されます。医師としては、北里柴三郎という偉人が採用されたことは喜ばしいことですが、「諭吉さん」の愛称で一万円札に描かれていた福澤諭吉は日本人の心の開国に貢献した偉人です。「天ハ人ノ上ニ人ヲ造ラズ人ノ下ニ人ヲ造ラズ」という有名な一節で始まる『学問のすゝめ』は攘夷に染まっていた混乱期の日本人の心に真の近代化に向けて進むべき道標を示しました。
現在の日本の医療制度は多くの問題を抱えてます。具体的には、患者は誰でも最高の医療を望むが、医療費を負担する立場からすればできるだけ保険料や税が低い水準である事を望みます。しかし、これは100円ショッブでブランド品を求めるようなもので、行政はこの事に対する解答を示してはくれません。全ての責任を負わされるのは医師、医療機関ですが、現場での処理能力は限界を超えており、これらのサービスにどの位の財源が必要なのか、どのように適切に配分していけば良いかは、答えられない状態です。しかし、今までの医学教育は「医は仁術」とし、経営能力は必要ないものとしてきました。これが、今日の医療崩壊の大きな原因の一つです。かつて経営破綻したJALの例を引くまでもなく、親方日の丸の体質があまりにも深く医学界に浸透してきました。医療関係のリーダー達でさえ、その多くは闇雲に医療費の増額を訴えるのみに終始してます。それほどに、医師は経営のスキルを持っていないのです。
それでは、医療は他のサービス業と同じように完全に民間企業に委ねてよいものでしょうか?私は、反対です。それは、民間企業主導では、医療の公平性、平等性が保証されないからです。最低限平等な医療サービスは全国民に保証されなくてはなりません。民間企業が営利のみを追求すると、昨今の投資を巡る企業犯罪のようなモラルハザードを起こします。日本資本主義の父といわれる渋沢栄一は営利主義の弊害を予知し、『論語と算盤』を著し、「道徳経済合一説」という理念を打ち出しました。理想の経営者は片手に論語、片手にソロバンを持つといった高い倫理感が必要であるという理念は、現在にも通用するものです。しかし、医師の場合には、倫理と医療技術といった両立しなくてはならないものが既にあり、その上にさらに経済学,経営学まで理解しなくてはならなくなってきた事が両立を困難にしています。
以上の事から、これからの医療には経済学、経営学が必要となってきますが、医師がこれを全て担う事は難しいです。したがって、SPC(特定目的会社)のような「医経分離」は理にかなっています。しかし、医師以外の経営陣主導による病院経営は医療現場との距離ができ、現場に対する理解不足、さらに、そこに従事する医師達の就労意欲が低下し、長期的には成功しません。最良の解決策は、医師が経営学、経済学の基礎を身につけ、医療現場、事務職両方を巻き込んで、経営のリーダーシップを取っていく事です。制度が違うので一概には比較できないが、米国ではMBAは病院経営に必須の資格になってきており、大学院でもMD/PhDコースと並んで、MD/MBAコースを有する大学が増えてきています。より良い医療を行うためには、経営的手腕が必要です。医は仁術ですが、算術(経営力)も同時に必要なのです。