ブログ

2024.06.06

北海道は癌になりやすい?

2人に1人が癌になる時代と言われています。日本は名だたる長寿国で、医療レベルも高いのに何故でしょうか。長生きになったため、他の病気で命を落とさず癌くらいでしか死なないという捉え方もあります。しかし、癌の死亡率には地域差があることはあまり知られていません。
 2017年の国立がん研究センターの報告では、東北・北海道の癌死亡率が男女共に全国に比べて高いのです。これは、どのように考えたら良いのでしょうか。最も低い長野県に比べ、北海道は1.5倍程です。北海道は、人口に対する医師数の面では全国で平均的なレベルであり、特に医療が受けにくい環境ではありません。手術に関しては、麻酔科医がきちんと術中管理をしている病院も多く、安全に手術が行われています。
 同様の傾向は、北半球の地域に多く見られます。他に、北半球に多いと言われる疾患は、高血圧、インフルエンザ、うつ病などです。これらの地域に共通していることは冬が長く、日照時間が短いことです。日照時間が短いと体内のビタミンD濃度が低下します。ビタミンDの合成は皮膚で行われ、その合成には紫外線が不可欠です。したがって、日焼けを避ける今日の生活様式は北半球ではビタミンDの低下がさらに酷いことになります。ビタミンDは、免疫、Ca代謝に大きく関わっています。すでに活性型ビタミンDは骨粗鬆症の薬として使われています。
 食品としてビタミンDを多く含むのはレバー、鮭などです。きのこも天日干しになったものはビタミンDになります。キノコも鮭も秋の恵みとしてよく知られたものです。そう考えると、昔の人は誰にも教えられずに予防医学を実践していたことになります。最近の世界の医療のトレンドは最先端医療の追求よりは予防医療の推進です。予防医療の観点からは、ビタミンDをサプリメントで補充することが勧められています。1日5,000単位以上のビタミンDの摂取をお勧めします。

2023.09.22

セミナーのお知らせ

令和5年9月27日(水)10:00~
札幌市社会福祉総合センター(大通西19丁目1-1)4F 大研修室 にて
わたしの生き方セミナー(終活セミナー)、「いつまでも若々しく!ピンピンコロリを 目指すアンチエイジング医療 」というタイトルで講演いたします。
健康セミナーが、コロナの影響で3年間開催できませんでした。
久しぶりですので、できる限りたくさんのお話をさせていただこうと思います。
ぜひご参加ください。

2022.12.27

女性とふたつのD

女性にとって、ダイエット(Diet)は大きな関心ごとの一つです。とくに、コロナの影響で自粛太りになってしまいダイエットしなくてはと考える方も多いと思います。
しかし、もう一つのDはあまり注目されません。それは、ビタミンD(VD)です。ビタミンDは、日光に当たることで、皮膚で合成されますから普通は問題にならないように思います。ただ、北半球、日本では北海道が特に問題ですが、日照時間が短いので不足するのです。
 若年女性では、VD不足が妊娠率を下げる、流産を増やす、さらに妊娠中の高血圧、糖尿病、早産に関係すると言われています。中年以降では、うつ病、高血圧、糖尿病の発症に関係し、免疫バランスが悪化するため、花粉症(免疫過剰)、ガン、ウイルス感染症(免疫低下)に関係することが知られています。高齢者では、VD不足は骨粗鬆症、認知症に関係すると言われており、全年齢の女性にとって必要な栄養です。
 ちなみに、VD濃度(25OHビタミンD)は検査が保険適応となっています。骨軟化症の検査で一般の医療機関で調べることができます。30ng/mL以下はサプリメント等で補充する必要があります。当クリニックで調べた中では、ほとんどの方が30以下でした。補充にはVDサプリメントで1日4,000〜5,000IU摂取を推奨しています。

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
一番上に戻る