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2019.12.04

訪問診療ブログ『暴走的講演』

金谷 潤子
11月21日

昨日は講演会でした。
パッチアダムス先生のクラウン活動を日本でされている金本 麻理子 (Mariko Kanemoto)さんから、赤鼻が丁度届いたので、早速付けて登壇。

「人は自分の人生を自由にデザインできる。
たとえ終末期であっても、声を発することができなくてもその思いを汲み取ることは誰にでもできるのでは?」

そんなドクターパッチの言葉をお借りしながら、熱さだけで話し倒した2時間でした。
グループワーク形式にしましたが、どのグループも真剣な言葉の飛び交いが歩き回っていても聞こえて来て、つい中に入ってしまったり。
仲良し訪問看護さんやケアマネさん達も多く来て下さっていました。
ケアマネ小木曽さんの感想のご投稿が嬉しかったので、お借りしてご紹介致します。

『ただいま〜!
2時間たっぷり潤子先生の生Facebook満喫
在宅看取りについての悩みや質問に、どれもこれも余す事なくストンと落ちる答えやアドバイス!
先生の脳みそには、どれだけの引き出しを持っているのでしょう

皆さんがウンウン頷きながら聞き入っている様子に、今日もどれだけの人が在宅看取りに対する理解を深めた事かと思ったら、私がワクワクしてしまう
一生に一度しか無い人生の終い場所は、治療をする事が使命の病院から決まりに縛られない在宅で!
一人暮らしだって工夫すれば自宅で死ねるのよ!』

※写真は赤鼻をつけて話している私です

2019.11.22

大和ミュージアム

先日、念願の「大和ミュージアム」に行ってきました。「宇宙戦艦ヤマト」世代の私にとっては、大和は特別な存在で、ぜひ行ってみたかったのです。1度目に試みたときには、呉までは着いたものの、駐車場の入場待ち行列にあえなく時間切れとなり断念。2度目には、企画したものの、西日本豪雨と重なり断念。今回は、3度目の挑戦でした。「大和ミュージアム」は愛称で、正式には「呉市海事歴史科学館」で、必ずしも大和ばかりではありません。旧日本海軍の事が展示されています。なんといっても目玉は1/10のサイズとはいえ、戦艦大和の模型です。当時の日本の先端技術の集大成です。圧倒的な機能美に溢れていました。しかし、こんなすごい戦艦が活躍する事は一度もありませんでした。最後には沖縄へ海上特攻隊として向かい、その途中で坊ノ岬沖海戦で戦艦と戦うこともなく撃沈されました。「宇宙戦艦ヤマト」では、海中に原型をとどめて沈んでいたヤマトでしたが、現実には爆発によりバラバラになって海底に沈んでいる事が海底調査で分かっています。大和は開発当時には世界最強の戦艦でしたが、時代の流れはあっという間に航空機を中心とした戦闘に変わっていきました。大和を沈めたのは空母11隻からなる空母部隊からの約400機もの艦載機でした。かつて地球を制覇した恐竜のように時代の変化に乗り遅れたものは、滅びるしかないのです。まだ、うら若い青年将校たちは、このような実態に気づいていましたが大勢を変化させる事はできませんでした。臼淵大尉の言葉に心が苦しくなります。負けが見える戦闘だと分かっていて参加した人の気持ちはどうだったのだろうか、日本は沖縄を決して見捨ててはいない、命がけで彼らが守ろうとしたものは何だったのか。戦争の善悪の判断は難しいが、日本の進歩、明日のために命をかけた我々の先輩たちの気持ちを今の日本はどれだけ生かしているのだろうか。日本人の元々もつ真の心「大和魂」が取り戻されることを願いたい。

2019.11.11

エビデンスって信用できる?

エビデンスという言葉を最近よく聞きます。医療の世界ではEBM(Evidence Based Medicine)というのが全盛です。簡単にいうと、論文で裏打ちされた医療というやつです。その反対にあるのがNBM(Narrative Based Medicine)というもので、簡単に言えば体験談みたいなものです。
http://www.drnagao.com/apital_nagao/?p=4727
治療の信頼度でいうと今は圧倒的にEBMが全盛で、それ以外は信用できない「インチキ医療」だと声高に喧伝する医療者もいます。しかし、このEBM本当に信用できるんでしょうか。実は、多くのEBMの根拠と言われる論文は製薬会社に資金援助を受けて作成されているものなのです。このような研究にその会社にとって有利になるように手心が加えられていることが明らかになってきています。
https://news.yahoo.co.jp/byline/enokieisuke/20190520-00126580/
日本で最大のスキャンダルは「ディオバン事件」で、高血圧治療薬を売るために多くの大学医学部を巻き込んで研究費の提供と引き換えに論文の捏造を行ったことを覚えている方も多いと思います。しかも、驚くべきことにこんな癒着が事件発覚後も、相変わらず大学教授を中心に金銭の提供は続けられており、最高でおよそ3000万円ほどが個人に支払われています。こんな経緯で作成されたエビデンスっていうものが信用になるのでしょうか。私が長らく務めた大学でも、似たようなことはいくつも見聞きしました。教授の一人は、「結果が出る前に、論文を書け」とまで言って、忠実な部下は出世のために言いつけを守って論文を作成していました。私は麻酔科ですが、お恥ずかしいことに、ギネスに載るくらいの捏造論文が明らかになったのは我が国の麻酔科医です。さらに、麻酔科学会ではそのような捏造論文に対して学会賞を与えるということまでしてしまいました。研究とは、仮説を立ててその結果について考察して結論を出すものです。結果は、必ずしも仮説に当てはまるものとは限りません。その場合には仮説が間違っていたことになり、なぜ違ったのかを考えることになります。これを、薬を売るために「効果がある」という結果を論文にするということが多く行われていることが今のEBMの現状です。よくよく考えて医師の話を聞く必要があります。EBMといっている治療法の多くはこんな経緯で出来上がっているものです。逆に、信用できるものは長きにわたって使用されてきた治療法です。もし、ひどい副作用があるならばとっくに消滅しているはずです。ハーブ、漢方薬などはその作用機序などは明らかでないものが多いですがいまだに有効な治療法として使われ続けています。ただ、医療目的で行う場合には医師の管理下に行う必要があります。

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