ブログ

2020.04.20

訪問診療ブログ『啓蟄』


『啓蟄』

3月5日に始まった今年の啓蟄(けいちつ)は 3月20日に終わります。
二十四節気(にじゅうしせっき)は1年を24分割し、最も昼の長い日を夏至、最も昼の短い日を冬至、昼と夜の長さが同じ日を春分・秋分とし、それぞれを春夏秋冬の中心に据えることで季節を決めた暦ですが、啓蟄は、その春の中でも「土の中の巣篭もりしていた虫が這い出して来る頃」という意味の時節です。

冬の眠りから目覚めた春の生命エネルギーが大気に満ち始めると、心身が衰弱している方は、そのみなぎる熱量と引き換えに自分の旅立ちを感じ取る印象があります。

いのちは、めぐり保存されます。

今生でいのちの終わりを迎えても、
次にバトンが渡されて
いのちの重みや大きさ、尊さは減弱することがありません。
啓蟄は新しいエネルギーの現れであり、
冬とともに旅立つ魂からの贈り物です。

旅立つ方々は残る者たちに多くを贈ることで、
身軽になって次に向かうのでしょう。

長かったご縁の方も
いただいたばかりのご縁の方も
どうか静かで穏やかな道行きでありますよう。

 

一番上に戻る