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2019.02.15

訪問診療ブログ『高齢者住宅の孤独』(過去編)

金谷 潤子

2018.10.27

高齢者住宅に往診する事も多くありますが、楽しそうに生活されている方は残念ながら少数派かもしれません。
こぎれいな小さな空間にベッドとテレビ。
たいていテレビはついたままベッドに寝ています。
ベッドとテレビ以外の隙間は殆ど無いような狭いお部屋も。
「先生が帰って誰も居なくなったらズドーンと暗闇の底に落ちて行く気分だよ。」
「あの空に飛んで行きたいなぁと、いつもここから見ていて思うよ。」
目の奥が熱くなりました。
高齢者はここで、提供されるサービスに感謝しながら生活を楽しんでいるわけではありません。
管理されて我慢して生きながらえています。
楽しみはたまのご家族の来訪。
これでは誰でも忘れん坊さんになってしまいます。
私たちよりも、若者よりも、秘めている知識や技術、才能はたくさんあるでしょう。
車を運転して事故を起こしたり、徘徊したり、高齢者から何もかも取り上げて管理しなければ…と焦る行政。
しかし、実際のところは高齢者ではない方の飲酒運転事故の方が多いのでは?
かなりの忘れん坊さんのお一人暮らしも多く見ていますが、火の元不始末の話を聞きません。
だからといって野放しにと言っているのではありませんが、今多く見られる「管理」のやり口は、高齢者のできることを奪い、できない人間にしてしまう原因でしかないと感じるのです。

歳をとるのが楽しみになるような世界にするには?
皆が考えていかなくてはなりません。

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